近年、日本では「不登校」の子どもたちが増えています。文部科学省の調査によると、2023年度には小中学生の不登校児童生徒数が過去最多を記録しました。学校に行けない、あるいは行きたくない理由は人それぞれですが、多くの子どもたちが「安心できる場所」「自分を受け入れてもらえる空間」を求めています。
本記事では、不登校の子どもたちにとって心地よく過ごせる「おすすめの場所」をご紹介します。保護者や支援者の方にも役立つ内容ですので、ぜひご参考ください。
1. フリースクール・オルタナティブスクール
自由な学びのスタイル
フリースクールは、学校という枠にとらわれない学びの場として全国に広がっています。学習面だけでなく、子どもたちの「居場所」としても機能しており、自分のペースで過ごせるのが魅力です。
オススメポイント
- 教育の強制がない
- 年齢や背景の違う子と関われる
- カウンセリングや支援員がいる場合も多い
「学校に行けない」ことに対して罪悪感を感じている子でも、「ここなら大丈夫」と思える場所がフリースクールにはあります。
2. 図書館・公民館
静かで落ち着ける場所
自宅以外で過ごす「静かな場所」として、図書館や公民館はとても良い選択肢です。誰にも干渉されず、自分の興味のあることに没頭できる環境は、心をリセットするのに最適です。
オススメポイント
- 静かで一人になれる
- 興味を広げる本がたくさんある
- 勉強や作業もできる机やWi-Fi完備のところも
社会の中で「誰かと関わることがしんどい」と感じる子には、図書館のような場所が心の避難所になります。
3. 自然の中(公園・山・海)
心を癒す自然の力
自然の中にいるだけで、心が穏やかになるという研究結果も多くあります。特にストレスが多い時期には、「五感」を使って自然を感じることが、不登校の子にとって大きな癒しとなります。
オススメポイント
- 四季の変化を感じられる
- 散歩や運動で気分転換ができる
- スマホやネットから一時的に離れられる
親子でハイキングをしたり、犬の散歩をしたりするだけでも良い経験になります。自然は「評価されない時間」をくれます。
4. 子ども食堂・地域の交流スペース
社会とゆるやかにつながる
子ども食堂や地域の集まりは、「人と関わることが苦手」「でも少しだけ誰かとつながってみたい」と思っている子にとって、ちょうど良い場所です。
オススメポイント
- 安価で温かいごはんが食べられる
- 優しい大人や子どもに出会える
- 無理に会話しなくてもOKな雰囲気がある
「家庭でも学校でもない第3の場所」として、地域の温かさに触れることができます。
5. カフェやコワーキングスペース
少し背伸びした大人の空間
中高生以上になると、ちょっと大人びた空間にも興味を持つようになります。カフェやコワーキングスペースは、「自分の居場所はここかもしれない」と思わせてくれる場所です。
オススメポイント
- ノートPCや読書に集中できる
- ひとりの時間を楽しめる
- 周囲と適度な距離を保てる
最近では「学生向けコワーキングスペース」も増えてきており、不登校の子でも居心地よく使えるよう工夫されています。
6. 自宅の中の「安心空間」づくり
居場所は外に出るだけじゃない
不登校の子どもたちの多くは、自宅で過ごす時間が長くなります。だからこそ、「自宅の中に居心地の良い場所」を作ることはとても大切です。
オススメの工夫
- 好きな音楽を流す、間接照明で落ち着いた空間にする
- 勉強部屋ではなく「リラックスルーム」に
- 自分だけの空間(テントやカーテン仕切りなど)
「ここにいるだけで安心できる」という空間は、どんな支援にも勝る場合があります。
まとめ:不登校は「ダメなこと」ではない
不登校は、決して「逃げ」でも「失敗」でもありません。心や身体が「ちょっと休みたい」と伝えているサインです。無理に学校に戻そうとせず、まずは子ども自身が「自分らしくいられる場所」を見つけることが、次のステップにつながります。
この記事で紹介した場所はすべて、「自分らしく」過ごせる可能性を持った場所です。合う・合わないは人それぞれなので、いろいろ試してみるのがオススメです。